前回はインドのサリーに付いて書いてみましたが、今回は全く別で、私の簡単着物との出会いに付いて記したいと思います。
20数年間努めた呉服会社が倒産し、当時はかなりショックを受け、もう着物と関わる事は2度と無いだろうと思っていました。 そんなある日、以前お世話になったお客さんから、娘の結婚が決まったから一度来るようにと連絡が有りました。そこで言われたのが、着物は今までいろいろと買わせて貰ったが、この着物どうやって着るのかと問われました。着付け教室に行く暇もないし、もし覚えてもてもすぐ忘れる。簡単に自分で着られる方法はない物かと切実に訴えられました。 残念乍らその時の私は何も返答出来ず、只、お客さんの前で頷くだけでした。 そのお客さんの、簡単に着物を着られる方法は無いのかという言葉が私の胸に刺さり、色々と調べ、また方々歩いてみました。 その結果辿り着いたのが、弊社の「誰でも自分で簡単に着られる着物」でした。
では現在の日本、年配の方で自分で着物を着られる人は何%いらしゃるでしょう。30~40%ぐらいいらっしゃるでしょうか。それが若い方になるとどうでしょう。多分ほんの数%しかいらっしゃらないでしょう。
これが現実で、これで日本の文化を守っていけるでしょうか。
私は、日本の文化に少しでも関わっている者として、一人でも多くの人に、この素晴らしい日本の文化である着物を着て頂きたいと願っています。 そしてその答えの一つが、誰でも簡単に着られるという事になって来ると確信しております。
明治の時代に、急速に海外の文化が日本に入ってきましたが、洋服もその一つで、何故着物文化の日本に受け入れられたかと言うと、容姿が良い、色が華やか、活動的等色々あると思いますが、着物と比べて簡単に着られる事も大きな要素になっていると思われます。
私には21歳の姪がいるのですが、昨年成人式で初めて振袖を着たのですが、余程辛かったのでしょう二度と着物は着ないと言っていました。 そんな姪を口説き、何とか弊社の着物を着て貰ったところ、余りに簡単に着られた事、全然苦しくない事に驚き、これだったら着たいと言ってくれました。 私は、着物離れしていく若者を、一人救った感覚と、着物ファンを一人獲得した感覚に捉われました。
簡単に自分で着られる、着ても苦しくない、こんな着物を少しでも多くの人に、これからも届けていきたいと考えています。
日本の着物、ガンバレ!。